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風俗にまつわる有名人のコラムコーナー

kaku-butsuカクブツJAPAN〜俺にも言わせてくれ〜

kaku-butsuにゆかりのある人物が、週替わりで、時に熱く、時にクールに風俗に限らず世の中(ニュース、カルチャー、スポーツetc...)について、語り尽くすコラムコーナー

加藤綾公

kaku-butsu SOD風俗調査団員
加藤綾公

美人からブスまで幅広く,心を込めて対応できる風俗マイスターです。心理学を駆使してオールマイティに受けられる/責められるプレイスタイルを目指しております。ユーザー様のニーズに応えられる,リアルな内容のレポートを心がけてまいりたいと思います。応援のほど,どうぞよろしくお願い申し上げます。

行動心理学から女性の「ガサツ」を科学する

2014/11/13(木)

加藤綾公


このコーナーでははじめましての,kaku-butsu SOD風俗調査団員の加藤綾公と申します。調査団員としてはまだまだ新人であり,伝説の風俗超人を目指す道半ばではありますが,今回コラムを執筆する機会をいただきましたので,自分の専門に基づくお話を少しばかりつぶやきたいと思っています。

私は,心理学を専門とした立場を生業としていますが,心理学と一口に言っても,○○心理学と名のつくものはこの世の中に無数にあります。しかし,そのほとんどは人間を含めた動物の心理を追求するものであり,この世の中に生きている全ての人が対象になっているといってよいでしょう。

ところで,これは心理学を専門とする者の職業病と言ってもよいと思いますが,私は「日々出会う人出会う人の心理を探る」ということをプライベート,非プライベート問わず自動的に行っているように感じます。こんなことを言うと,「心理学を勉強すると人の心が読める」と思う方もいるかもしれません。実際,合コン等では,「わー,本音読まれそうで怖い!心読めるんでしょ?」「今私が何考えてるか当ててみて?」といった,我々の同業者的には鉄板あるあるクエスチョンを,これまでもう2万回ぐらい言われてきたんじゃないでしょうか(笑)

当然これらの質問への答えは「ノー」です。心理学をいくら学び,研究したところで,超能力者でもない限り,人の心を読めるようにはなりません。ただ,ある一人の人のことを,理解するまでの時間は普通の人よりはかなり短いかもしれません。

じゃあなぜ人を理解するのが普通の人より早いかというと,それは当然心理学を駆使しているからなのですが,前述のように「心」は読めませんし,目には見えません。身体の中のどこにあるのかさえ定かではありません。そこで私たちが「人間の心」を理解するために手がかりにしているのは,「コミュニケーション(言語的特徴)」と「行動(非言語特徴)」です。

例えば,風俗嬢との出会いは一期一会の要素が強いですが,それでも言語的な会話によるコミュニケーションや,非言語的特徴である行動の仕方で分かることは多いです。話題の選び方から言葉の使い方,こちらの投げかけへの応答,声のトーン,表情,仕草,身のこなしなどを15分も観察すると,今どのような気持ちで仕事をし,そして自分(客)にどのような感情や印象を持っているかはだいたい分かってしまいます。

なので,その「心の読み取り」結果を踏まえて,「後の60分をどんな時間にするかも,ある程度コントロールできるといってもよいと思います。まあ,そんなことばっかり考えていると風俗に行った肝心の目的である「肉体的スッキリ感が損なわれるので,素でいるようにはしてますけどね(笑)

さて,タイトルに記した本題に入るまでが長くなりましたが,今回のテーマはそんな日々の観察の中から出てきた考察でもあります。

私が風俗嬢に会う中で目についてしまうのは,一定の割合で存在する「ガサツ」な女性です。もちろん風俗嬢が全人口の女性の中でガサツな割合が高いということではないのですが,職業上裸になったり,人間の本能的な部分をさらけ出す立場なので,そのあたりは見えやすいということなのだと思います。

例えばバッグ。これはお店のものの場合も多いので,外見がぼろぼろだったり汚れていたりは参考程度です。しかし,中身の整理具合は,完全に個人起因のものでしょう。しばしば,バイブやグリンス,ローション,コスプレなどが雑然と放り込まれ,ガサツに引き出され,ガサツに戻される,そんな光景を目にします。

あるいはボディ。シャワーを浴びる頻度は多いといっても,それにしても髪はバサバサ,体毛剃り残しまくり,下着はピリング(毛玉)祭り・・・。こんな女性もいます。

では,こんなバッグやボディを持っている女性はなぜ,そのような「ガサツ」な行動に至るのでしょうか?

この問題の答えを出そうとするとき,我々人間はどうしてもその人の性格や意欲,やる気など,個人の特性に原因を帰属しがちです。例えば,「あの子はB型だから身の回りにちゃんと気が遣えないんだろう。」とか「あの子は元々いい加減で,仕事に対して真剣に向き合っていないからだろう。」などです。

それらの答えは,行動心理学の観点からいくと,半分は合っていますが,半分は間違っています。というのは,血液型によって性格が規定される,というのは科学的には根拠はありませんし,「元々いい加減」というのは分かるようで分からない,実にあいまいな概念だからです。

行動心理学では,人間の行動を環境との相互作用で考えます。つまり,ある人の「ガサツ」な行動が生じたり,無くならないのは,性格や意欲・やる気,元々の特性に決められているのではなく,「ガサツな行動が無くなるための環境要因がない」か「几帳面な行動を生じされる環境要因がない」のどちらかであると考えるのです。

実は人間の全ての行動は,4つの要素からなっています。

(1) 背景にある心身の要因

(2) 行動のきっかけ *環境条件1

(3) 行動

(4)環境や心身の状態の変化(結果要因) *環境条件2

この観点から考えると,例えば具体的には

(1) 日常生活が安定せずイライラ,不安,ストレスがある

(2) 適当にものを入れられる開口部の大きなバッグがある

(3) ガサツなバッグになる

(4) モノを取り出すときにラク,誰にも指摘されない

というような関係性が見いだされます。

その際,(4)が非常に大事で,人間は行動を起こしたときに,「自分にとって何か都合のよいことが起きたり,あるいは「自分にとって嫌なことが起きない」と,その行動(3)は無限に繰り返されます。

そのように考えると,例えば「お客さんの印象の善し悪しにも関わるのでガサツなバッグは改善したい」と本人やお店側が目標を決めたとすると,環境条件1か環境条件2を何らかの形で変えればよいのです。

具体的には,環境条件1であれば,「始めから仕切りのついたバッグを渡す」ということが考えられるでしょう。そして行動として「これまでよりは整理されたバッグになる」となったとしたら,環境条件2として「おーすごいねー。がんばってるじゃん。」と,賞賛という「その人に取って良いこと」を与えます。

そうすれば,上述のような悪い循環から,良い循環に変えていくことができるでしょう。あるいは,(4)で,「逐一チクチク「汚ねぇなぁ・・・」と指摘する」というその本人にとって「嫌なこと」を与え行動をコントローする方法もありますが,これは賞賛を与えるやり方よりも難易度が高いです。

いかがでしょうか。当たり前のように思われるかもしれませんが,これが行動心理学の基本です。性格や意欲,やる気が変わらなくても,「ガサツなバッグ」はなくなる可能性があるのです。